「ありがとうございます。でももう決まってるんです。市役所から連絡来たので、直ぐに決めちゃいました」

県から私にきた連絡は『保育士資格を持った方へのアンケート』

資格を持っている方が、どれぐらい県から離れていて、どれぐらいちがう職種に就職したのか。

保育士が足りてない大分県は、もし資格を持っていて無駄にしているなら、と呼びかけを実地した。

それが確か数年前だったんだけど、地元に戻ることになり、市役所でその話をしたらすぐに係の人が来て、色々と紹介してくれた。

まずは非常勤からだけど、就職活動の手間が省けて助かった。


「神様からの、私への贈り物かと思いました」

「贈り物?」

「保育士の仕事は、私の欠陥部分を補ってくれるものだから」

――私の女としての欠落部分。
笑ってしまうような、未だにフワフワして掴めないような、現実。
苦しかったけど、代わりに吐きだしてくれたのは侑哉だったから。


「侑哉は単純。みなみちゃんは複雑、だな」