次の日、起きると侑哉は居なかった。
綺麗に洗われた食器と、残り物でお弁当を作った痕跡が残っていた。
しなしなの海老フライを食べながら、真っ黒に落書きしてしまったレポート用紙の一枚目を破って捨てた。
「おはよーございます。みなみせんせい」
ちょっとだけ元気のない真君が、お祖母さんと一緒にバス停に現れて、ホッとしたような残念なような不思議な気持ちに襲われた。
バスに乗り込む真君に、お祖母さんは優しく頭を撫でて、ギュッと抱きしめた。
「パパはお熱だから、ちゃんと病院に行かせるからね。真も頑張って保育園行くのよ?」
「うん。――うん」
そう頑張って笑おうとくしゃっと顔を歪める真君に胸が痛んだ。
バスに乗り込んでも、顔をパチパチと何度も叩いている。
「すいません。先生、今日は真、帰りはバスでお願いします。お残りできないぐらい元気が無いので」
「分かりました」
申し訳なさそうに笑うお祖母さんにお辞儀をしながら、真君を見る。
「パパ、お風邪引いたの?」
そう尋ねると、顔もあげないで頷いた。



