「そ、そんなことないよ。きっと、気のせいかもよ。ほら、ラブホ街って近くにbarとかあるみたいだし」
「中に入って行くのを見たの。カーテンが着いた駐車場に入って行った!」
ちょっとだけ拗ねたように声を荒げた侑哉は、携帯の画面を弄りだす。
多分、淡い初恋の相手を消去しているんだろう。
すぐに携帯を置くと、両足を椅子に乗っけて、両肘を付いた。
「俺が、社会人で、格好良い車に乗っていたら、ちょっとは違ったのかな」
「――うん。それは、私がブライダルチェックで引っかからなかったら違う未来が在ったのと多分同じだよね」
もしも、じゃない。もしもなんて起きないのに。
――神様なんて居ないのに、そう祈ってしまうように。
ついつい考えてしまうんだ
「――みなみ」
「うん」
「一緒に寝て、いい?」
「――うん」
カランっとボールペンが床に転がる。
食べた食器もそのままに、私たちは同じベットで、抱きしめあって眠る。



