【完】神様のうそ、食べた。

何も言わない侑哉は、ただただ私に抱きついたまま、少しだけ震えている。


仕方なく、軟らかい髪の毛を撫でながら、玄関から見える月を見上げた。

風でヘルメットがコロコロ揺れている。

何があったのか言えないのかもしれないけど、受け止めてあげられたら……と、思う。
あの夜、私を受け止めてくれた侑哉のことを。


「良い匂いがする」

「うん。海老フライと唐揚げだよ」

「――そっか、俺お腹空いてるのかも」

「温めてあげるよ」

「――ありがとう」

そう言うと、熊みたいな大きな体を起き上がらせ、転がって行ったヘルメットを探しに行く。
その背中も明らかにいつもみたいに元気がなかった。

大盛りご飯に、海老フライと唐揚げもてんこ盛りにして席に置くと、やっと少しだけ笑ってくれた。
――苦笑いだけど。