…え?
食べた?
ええええええ!?
「なっ、何を、何を何をなになになに!?」
ごくん、と部長の喉仏が動くと、ペロッと舌を出された。
「不味い」
「不味いってええ!? ええ!?」
「これで診断書が無くなったんだから、も一回ちゃんと病院で検査しろ。そんな一回の数時間の診断に、人生左右されてんじゃねーよ」
立て、と無理矢理起こされると、泥だらけになったスカートをパンパン払ってくれた。
「で、ちょっとでも可能性があるなら、諦めずに頑張っても無駄じゃねーよ?
お前、まだ若いし。ってか、子どもを産むだけが女の幸せじゃねーし」
「でも、子ども好きだもん……」
ひっく、と嗚咽が出て来ると、上手く言葉が喋れなくなる。
ポンポンと頭を叩いてくれた部長は、優しく私の頬に触れると、顔をぐっと上に上げさせて、私と見つめ合った。
「まずは、恋愛から逃げるの、止めねぇか?」
「え?」