梢の行動力は、群を抜いていた。 今、梢は彫野の使う駅を降りたところだった。昼間思った事を、実践するために。彫野を、あゆみから奪うために。 「まずは、彫野君を探さなくちゃ。」 あてもなく、梢は歩き出した。