次の休み時間も、その次の時間も、あゆみはたったひとりで過ごしていた。
その度に、“マワル世界”を訪れ、誰かいないか叫んでみた。
何度も、何度も叫んでみた。
けれども、誰かの声がする事はなかった。それでも、あゆみが今直面している現実の世界と比べれば、快適だった。
気がつけば、この世界も悪くない、そう思えるようになっていった。