「古城君、昨日私のこと助けてくれたでしょ。古城君こんなに優しい子だったんだって。今まで何も知らないでただ怖いって避けてて、悪いことしちゃったなって思ったの。だから、古城君のこと、もっとちゃんと知りたいなって。皆にも分かってもらいたいなって。」

古城君に伝わるように一生懸命言葉を紡いだ。

「昨日は・・・たまたまお前が視界に入って・・・。知ってる奴だったからほっとけなかっただけだ・・・。」

古城君は歯切れ悪く答える。

「その気持ちが優しいんじゃない。本当に悪い子だったら、見かけても何も思ってくれないよ、きっと。だから、昨日のことを話せば皆も・・・」

「そんな風に思うのはお前だけだ。」

私の言葉は古城君に遮られた。

「え?」

「昨日の話をしたって、皆は俺が何か企んでるって思うくらいだろ。昨日だってお前の隣に立ってた俺を見た山城の反応はそんなもんだった。お前が理由を話したって、あいつの態度は変わらなかったんだろ?」

「それは・・・。」

古城君の言うことはその通りで、私は言い返せなくなってしまった。