放課後、私は古城君を探して校内を歩き回っていた。

「あ、古城君いた。」

古城君を見つけたのは、今は行く人がほとんどいない昔の中庭。

前は休み時間や放課後には生徒たちでにぎわっていたらしいけど、新しい中庭ができてからは使う人はほとんどいなくなったらしい。

この中庭はもうすぐなくなって新しく倉庫が建てられるとか。

古城君は芝生に寝転がってスマホをいじっていた。

「ふ、古城君!」

思い切って声をかけたけど、古城君はちらっと私のほうを見ると、何も言わずにまたスマホをいじり始めてしまった。

でも、ここでくじけるわけにはいかない。

「あ、あのね、古城君、この後教室で文化祭の劇の練習するから、来てくれないかな・・・?」

「なんで俺が行かなきゃなんねぇんだよ。」

予想に反して、古城君は反応してくれたけど、やっぱり同意はしてくれなかった。

「なんでって・・・。古城君だって・・・クラスの一員じゃない。」

「誰もそんなこと思ってねぇだろ。俺は行かねぇ。」

古城君の意思はなかなか固そうだった。でも意思の固さは私だって負けない。

「そ、そんなことないよ!ね、行こ?」

「じゃあ、誰がそう思ってるってんだよ!?お前らが俺を避けてることぐらい知ってんだよ。行かねぇって言ってんだからほっとけよ!」

古城君に怒鳴られるのは怖かった。でも、彼の言葉の中に悲しみが混ざってるような気がした。

私も柄にもなく叫び返してしまった。

「ほっとかないよ!私は、古城君も大切なクラスの一員だと思ってるよ。確かに、前は怖い子だなって思ってた。怖いからあんまり関わりたくないって。」

「じゃあなんで・・・。」