「おっはよー!!いよいよ学校も始まっちゃったねぇ。」

2学期が始まり、教室に入ると京香が真っ先に声をかけてくれた。

「おはよ。ねー。2学期も始まって文化祭まであとちょっとだし、気合、入れてかなきゃね。」

「そうだよねー。頼んだよ、文化祭実行委員長!」

私が文化祭の話を持ち出すと、京香が茶化してきた。

「やめてよー、そういう言い方。私たちのクラスは劇なんだしさ、個人個人ががんばらなきゃ。」

「だから、みんなをその気にさせるのを頑張ってくださいな。」

「そんなの、私がわざわざしなくても、みんなちゃんとやってくれてるじゃない。」

「それもそっか。まぁ、若干1名そうじゃない人もいるみたいだけど・・・?」

京香が誰のことを言いたいのかはすぐにわかった。

「あぁ、古城君・・・?」

「そ、古城。ま、あいつはもともとやらないだろうからって、特に役割与えられてないし、いなくても平気だけどねー。」

昨日もそうだったけど、私には京香の言い方がどうしても納得できなかった。

「京香、またそんなこと言って。みんながそうやって不良だからってレッテル貼って遠ざけるから、古城君、余計にぐれちゃうんじゃないかな・・・。」

私の言葉を聞くと京香は驚いた。

「何、涼子、あいつの肩もつの?」

「そういうんじゃなくて・・・。」

自分でも、どうしたいのかよくわからなくなってしまった。

「・・・私、後で古城君と話してみる。今日も午後は練習でしょ?それまでに何とかしてみる!」

「涼子・・・。」

私の発言に京香は暗い顔をした。

「ほら、始業式始まるよ。早くいかなきゃ。」

「う、うん。」

それ以上暗い雰囲気にしたくなくて明るく遮って体育館に向かった。