恋の始まり

一瞬、古城君が何を言ったのか理解できなかった。

「「なっ」」

男の人たちは驚いて私のほうを見た。驚いたのは私のほうだ。古城君となんてしゃべったこともないのに。

「お前、待ってたの友達じゃなかったのかよ。」

男の人は私を責めた。待ってるのは本当に友達なんだけど・・・

「えっと・・・。」

ちらっと、古城君のほうを見ると、目で合わせろと言ってきた。きっと、困ってる私を助けてくれたんだろう。軽くうなずいて彼に答えた。

「彼を・・・待ってました・・・。」

「ちっ。おい、行くぞ。」

「お、おう。」

私が答えると男の人たちは舌打ちをして去って行った。

「えっと・・・ありがとう。」

助けてもらったお礼を言うと、古城君はぶっきらぼうに答えてくれた。

「・・・別に。お前、友達待ってんだろ。来るまでここにいてやる。」

想定外の言葉が古城君の口から出てきた。

「え、でも・・・。」

「・・・またあんなのに絡まれても困るだろ。」

学年1の不良と言われてる古城君の言葉とは思えなかった。

「・・・うん、ありがとう。・・・古城君、優しいところあるんだね。」

「・・・・・・。」

思ったことをそのまま口にしたら古城君は何もしゃべってくれなくなってしまった。

待ち合わせの時間を10分ぐらい過ぎた頃。

「涼子、遅くなってごめーん!お待たせ!」

京香が走ってきた。

「じゃ。」

「あ・・・。」

京香の姿を確認すると同時に、古城君はどこかへ行ってしまった。