こんな俺だから恋なんて必要ないと思っていた、この時までは… 俺は重い体を起こして洗面所に向かい、 身だしなみを整えた。 そのまま朝食の匂いに釣られてリビングに行った。 「一輝、おはよう」 「…うん」 俺のお袋は女手一つで俺と妹を育ててくれた。 俺の父ちゃんは俺が産まれたあとすぐに家を出て行ったらしい。