「おい、一輝。遅刻か?入学早々いい度胸だな。後で、職員室に来なさい。」
少し、白髪混じりの見た目がおじちゃんの俺の担任が気だるそうな声で言ってきた。
そんなに面倒なら、遅刻免除でいいし。
でも、そんな簡単に行かないのが俺の学校。
やけに校則が厳しい。
「あれ、杉森がいないなあ。誰か杉森知らないか?」
なんだ。俺の他にも来てない奴いるじゃねーか。
「……っ!すみません!遅くなりました。」
声と同時に教室の扉が勢い良く開かれ
一人の少女が息を切らしてそこに立っていた。
黒髪のストレート。
パッチリ二重の大きな目。
そして、頬にあるエクボ。
そう。
今朝、有紀の自転車の後ろに乗っていた可愛らしい女の子だった。


