ドンドンドン!
静まり返った町にアパートのドアを叩く音が深夜に鳴り響く。
アパートといっても決して綺麗なアパートとは言えない。いわばボロアパートだ。階段も朽ち木製のドアは叩かれる度にギシッと言う音もしていた。
『霧島!!いるんだろうがぁ!?出てこんかい!!金払えや!!』
霧島の部屋の前にヤクザらしき2人組が立ちドアを叩き声を荒げていた。
しかし霧島が出てくる気配は無い。当然と言えば当然だ。霧島には借金を返す金は無く家には布団しか置いていなかった。いつでも逃げれるようにだ。
ヤクザはその後1時間近くいたが限界に達しドアを蹴破り部屋に入っていった。部屋は真っ暗で人の気配はない。
『逃げやがったな!!あの野郎!!』
ヤクザの1人がライターで部屋を照らして蛍光灯の紐を引き電気をつけようとしたがつかなかった。
『電気もつきません。兄貴ここにはもういないんじゃないすか?』
『逃げ足だけは速い奴だな!!クソが明日は幹部連中きやがるから今日中に回収せなヤバい!探せ!!人使って探せ町から出てないはずや』
『はい!!』
1人のヤクザが携帯取り出し電話をかけ始め霧島狩りが始まった

霧島は闇金や銀行といったあらゆる場所から金を借り借金地獄にいた。
ギャンブルにはまり人に騙され金を取られ詐欺に合ったこともあった
『あーあ…あの家には帰れないよなぁ…』
夜道をフラフラと歩く霧島はブツブツと独り言を言いながら歩いていた。ポケットにてを入れ財布を取り出し中身を見ると3470円しか入って無かった。
『明日朝イチパチンコ行って駄目なら町から出なきゃまずいな』

霧島はそうゆうとまたフラフラと逃げるようにその場を去った