心臓の波の音を機械で出している音が聞こえる。
よくテレビで聞く音だなぁ。
でも、よく考えると何で聞こえるの?私学校は?!
ガバッとおきあがると、そこは病院だった。


私、そういや倒れたんだった。
誰か見つけてくれたんだろ。先生かな…?


コンコンとドアを叩く音がした。

「ちょっといいかしら。」


「お母さん?どうぞ入って。」


お母さんは、とても深刻で今にも泣きそうな顔で入ってきた。
その時私は、嫌な予感がしたのだった。

「お母さん…?」


「いいえ。何でもないわ。目を覚ましてくれてよかった。」


お母さんは、泣いていた。


「お母さん……?お母さん…… どうしたの?そんなに泣いて。私何かの病気なの…?」


私は、怖かったけど涙こらえ聞いた。
お母さんがこんな表情する所なんて初めてみたよ。


「いいや。何にもないわよ。ただ音羽が起きてくれたから嬉しくて泣いてるだけだよ?だから心配かけてごめんね。」


心の中では、やっぱり私なにかの病気になっちゃったんじゃないかなって思ってしまった。お母さんは、無理して嘘ついてくれてるんだろうね。
でも、まさか私にかぎってそんな事ないでしょ。
気になったから自分で病院の先生に聞こうと決心した。






「じゃあ、お母さんはいったん家戻るね。また夜に着替えもってくるね。」


「え…。私入院しなくちゃいけないの?そんなに、大変な事になっちゃったの?ねえ。お母さん。」


「いいえ。大丈夫よ。ただ明日はまだ安静にしておかないと行けないから病院に1日だけ入院なんだって。だから明後日には家に戻れるのよ。」



「そうなんだ!ありがと!じゃあ、また夜にね!」




お母さんは、静かにここを後にした。

よし。これから先生にちゃんと話しにいこう。
でも、やっぱりねいっぱい行きたくない気持ちもあって。怖かった。そこで現実をしらされる事になるから……


重い足どりで病院の先生がいる部屋をノックした。


「どうぞ〜。」


「失礼します…。」




「お〜。山内さんじゃないか!どうしたんだい?」


「あの…。話があって…」



今にももう、泣きそうだった。怖い。本当に怖いよ。神様。どうか私を守って?なんの病気にもかかってませんように。そう願った。




「あの、私は何かの病気なんですか?お母さんも何も教えてくれなかったけど。すごく深刻な顔をしていて今にも泣きそうだったんです。お母さんが。どうか、教えてもらえませんか?」






「山内さん。大丈夫かい?ちゃんと話きけるね?落ち着いて聞いてね? 山内さんは、この前ボールが頭に当たったみたいだね。そして、前から君の頭に悪い物が少しあったみたいなんだ。そのボールの打ちどころが悪くすごく頭に影響がいってしまい、もっと悪い物が広がってしまったんだ。いつ死んでしまうか分からないんだ。まだ今は悪い物が小さいがこれからもっと大きくなっていくとおもう。手術でとろうと思っても君の頭にいっぱいちらほら広がっててね。小さい物が。だから難しいんだ」






「え…………。」




私は、何がなんだか分からなかった。これは現実なの?何を言っているのか理解できない。
なぜか、涙だけがただただ流れた。
何時間泣いただろう。もう目がパンパンだ。
その間先生は優しく頭をなでてくれた。

「もう、落ち着いたかい?もっと早く来てたら治療をしてましにできたんだが。もう今のじてんでは結構むずかしくてね。」



「はい。分かってます。でも……でも。私はいつか死ぬって事なんですか?まだまだ生きたいです。生きたいんです。大切な家族、友達が沢山います。まだこんな大人にもなってないのに死にたくないです。」


死にたくない。そう思う事しかできなかった。
こんな…。辛い現実を受け止めないといけない。
私は受け止めたくない。嘘だって信じたい。
神様はどうして私にいじわるなんだろう。
もっともっと幸せに生まれたかったよ。