。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅴ・*・。。*・。





「……嬢―――お嬢!俺です!」


ふわり、と両肩を掴まれて引きはがされる。


あれ………この声……


「お嬢…?どうされたんですか……?」


戒だと思ってたのは






キョウスケで――――





キョウスケはひたすらに困惑顔であたしを凝視。




へ!!?


あたし、間違えた!!?


ギャァ!!


恥ずかし過ぎる自分のミスに顔から火が出そうになった。


だってこの二人何気に体型とか声の質とか似てるんだもん。(←言い訳)


慌ててキョウスケから離れると


「俺は戒さんじゃないです……寝ぼけてらっしゃるんですか……」


キョウスケは困ったように苦笑。


「いや……寝ぼけてたわけじゃねぇよ。お前…お前が『朔羅』とか呼ぶから!!」


あたしは八つ当たりにキョウスケにガン飛ばすと、


「俺……恐れ多くもお嬢のこと『朔羅』だなんて呼べませんよ…」


とキョウスケはますます呆れたようにあたしを見下ろす。


それもそうだよな…


じゃ、じゃぁ何だったんだよ……あの戒の声は―――


だってちゃんと聞いたし。



けど


やっぱ聞き間違いだったんかなぁ。