その中でキリさんのプリウスを見つけるとドキリ……



心臓が強く鳴った。


あたしは無意識のうちに心臓の辺りでぎゅっと手を握っていると


「どないしたん?」


戒が心配そうに聞いてきて、あたしは慌てて手を下ろした。


「う、ううん!何でもない!!」


昨日の晩―――キリさんの履いていたパンプスを思い出して






それが神社で見た白い女と―――同じものだった―――




とはここでもとうとう言い出せず、


あたしはまたも秘密を抱えることになった。


だって言っちまったらきっと戒のことだろうから調べようて言い出すはず。


ただでさえキリさんに疑いの目を持ってるのに、これ以上よけいな詮索とかしたくない。


そう考えるけどホントのところは―――



あたしは―――あの優しいお姉さんみたいなお母さんみたいなキリさんの本当の姿を






知りたくないんだ。