。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅴ・*・。。*・。




―――その日、あたしは眠れなかった。


戒の態度を考えると…戒はやっぱりまだこないだ言い合いしたことをまだ怒っていて、それを許せないでいるんだ…


と思ったりもしたけれど、それは何か違うって言うか…


そもそもそこまで根に持つタイプじゃねぇし。


一度仲直りしたのに、やっぱり怒ってるとかあいつらしくない。


じゃぁ何で!?


分からなくて、考えれば考えるほど眠れなくなっていく―――


ああ、エンドレス…


てな具合で一睡もせずに次の日を迎えた。


寝不足のせいか……頭いってぇ……


まぁどーせ今日はバイトも定休日でお休みだし、宿題しかやることねぇから多少の睡眠不足でもいいんだけどね。


それでも何とか眠ようとベッドの中で粘ってとうとう諦めたのが朝の8時。


まるで二日酔いのような頭の痛さを引きずりながら、名残惜しそうにベッドから這い出て


それでも戒はあたしが居間に行くより早く起きだしたのか、あたしが居間に到着すると


「メガネのヤツ、出かけていきやしたよ」


と何故か親切なユズが教えてくれた。


何だよ!いつもいっつもあたしが戒を探してるようなその言いぐさはっ!と思ったけれど


いつも



いっつも



あたしは戒を目で追っていたこと―――


戒が居なくて




その視界に戒の姿を捉えられなくなって




はじめて気づいた。