そのときだった。
「ねっ!お母さんあの子ともう一人の子どっちがリコの本命だと思う??」
「お母さんに聞かないでちょうだい。でも、お母さんはこないだ来た男の子……キョウスケくんだっけ??が本命だと思うんだけど」
「や~ん、どっちに転んでも超!オイシイじゃない!!やるわねリコ」
部屋の外でお姉ちゃん…とお母さんがヒソヒソ。
全部聞こえてるのよ(怒)
龍崎くんはさっきの怖いぐらいの視線をしまい込み「くっくっく」と笑いを堪えるのに必死だし、たまりかねてあたしが部屋のドアを開けるとお母さんとお姉ちゃんは揃ってびっくり。
「り、リコ!ほらっ龍崎くん……だっけ??ケーキ持ってきたのよ。あんたほら…しっかりおもてなししてあげなさい」
お母さんにズイと出されたトレーにはキラキラきれいなイチゴのショートケーキとガトーショコラ……凛堂のケーキが乗っていて
「分かったから!変な噂しないでよ!」
トレーを奪い取ると二人を追い出した。
「やっぱ川上家おもしれ~~!!」
とケタケタ龍崎くんは能天気に笑ってて、あたしは顔から火が出る思い。
もー!お母さんとお姉ちゃん恥ずかし過ぎるよ!!
結局―――何があったのか聞けず……
だって龍崎くんが出されたケーキを目の前に、ケーキより甘いとろけそうな…砂糖のような極上の笑顔でこっち見てくるんだもん。
「やっべぇ!!超☆うまそう!!なー、川上はどっち食う?」
龍崎くんの意識は今は記事よりもケーキに釘づけ。
はぁ
(今は)“好き”とかじゃないにしろ―――ちょっとドキってくるよ、その笑顔。



