慌てふためくお姉ちゃんを目の前に妄想は絶頂を迎え、
『リコ、迎えに来たよ』
ミツキ先生……もとい響輔さんがあたしに手を差し出して来る―――
けれど顔を出したのは
「よ♪二日ぶり~☆」
龍崎くんだった。
ガクリ
あたしは肩を落とした。
「何で響輔さんじゃないのよ」
「何だよ、俺じゃ不服かっつうの」
龍崎くんは面白くなさそうに声を低めて唇を尖らせる。
「てか約束してないじゃん」
「だって連絡しても無視られる気がしたしぃ」
とまたも口を尖らす龍崎君。
無視……まぁ今龍崎くんに会いたい気分じゃなかったからそうしてたかも…
「リコったら!わざわざ来てくれたのに失礼よ!」
お姉ちゃんが頬を膨らませ、「どうぞ~至らない妹ですが仲良くしてネ★」と小さくウィンク。
「どうも~美人なお姉さんありがとうございますぅ♪」
龍崎くんはいつもの猫かぶりであたしだって騙されそうなぐらい可愛く挨拶。
「やだぁ!面白い子ねぇ!!」お姉ちゃんは真っ赤になった顔を両手で包みくねくね。
お姉ちゃん…下に彼氏待たせてるんじゃないの??



