ホントは分かってた。
そんな理由で響輔さんは女の子を選んだりしないって。
でも
でもね……
やっぱりyouみたいな完璧な女の子が近くに居ると思うと―――考えちゃうよ。
かと言って諦められるほど簡単な恋じゃない。
あたしは再びマンガを閉じてミツキ先生の上に響輔さんを重ねる。
黒いサラサラの髪、白い肌―――優しく笑うその柔らかい表情―――
『リコさん』
彼があの低いくすぐるような声で―――あたしを呼ぶ。
あ
ダメ……
やっぱり諦められない!
何度これを繰り返しただろう。
何度目かの想像…てか妄想??していると
バタン!!
今度はノックも予告もなしにあたしの部屋に入ってきたお姉ちゃん。
「り、リコ!!」
何よ!今響輔さんのこと考えて……
と目を吊り上げてると
「リコに男の子のお客さんだよ!!」
「男の子ぉ?千里のこと?今さら驚くことないじゃん」
あたしだって男友達の一人や…ふた……あ、一人だった。
とにかく
いちいち驚くべきことでもない。
「千里くんと違うの!こないだ来た!ほらすっごいイケメン!!」
こないだ来たすっごいイケメン――――って
もしかして
響輔さん!?



