。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅴ・*・。。*・。




心の言葉に響輔は更に目を険しくさせた。


心め!余計なこと言いやがって!


でも、響輔は立ち直りも早く


「こうなったら一刻でも早く、伊予原 椿紀(いよはら つばき)に接触するのが良いですね。


“向こう”だって相当焦ってる筈ですから。


彼らが場所を移動する可能性が高いです。そうなったら追跡不可能」


いくらか冷静さを取り戻した響輔が言って、


「分かってんよ。でもこれで確信した。


タイガにとって“カズノリ”は、どうしても隠しておきたい存在だってことを」


俺が後を引き継ぐと


「だったら!尚更、いくらマサさんと一緒だからって一人帰らせたんですか!


それにここには一結だって居る」


響輔が胸倉を掴む勢いで迫ってきて、俺は再び心の背後に隠れた。


「イチは大丈夫やろ。お前の話に寄るとスネークの野郎、イチに惚れてるさかい」


「え?ほんま??」と心がわくわくと目を輝かせる。


「そうゆう問題じゃ…」と響輔は尚も何か言いかけたが、


楯になってくれた心は身も言葉もまさしく楯。


「朔羅ちゃんは大丈夫やわ。安心しい、朔羅ちゃんには絶対バレへんGPS付けといたさかい、


それに速人も朔羅ちゃんの後を追っとる」


せや、せや!


と俺は心の背後で援護(?)射撃。


響輔は深いため息を吐いて


「絶対バレないGPSって何ですか」と心に問う。


「うちらが開発したGPSや。まだ実験段階やけど、99%成功してる。


速人に血液採取させたんは、単に朔羅ちゃんの血液サンプルが欲しかったのもあるけどな



血液採取とほぼ同時に、微量な薬を注射してん」


「その微量な薬と言うのが……」


響輔が目を開く。


「せや。それがGPSや。体内に入った液体は血液と混じって一日で跡形なく消えるさかい、短時間のみの追跡になるけど。


どや!うちらのアイデア凄いやろ!」


心は言葉通り『どや顔』で得意げ。


しかし、


朔羅は一時的とは言え、ヤク漬けにされたも同然だ。アルコールをはじめとする依存率の高い薬系は避けたかったが、



ヤク抜きも80%は成功してる。


だが、残り20%がまだ体内に残ってるうち……いや、今後いつその薬を摂取するのか分からない状態で、俺は迂闊に朔羅に触れることすらできない。