ショップを出たら、ランド中央に位置しているMIRACLEキャッスルの時計が18時を示していた。
今帰れば、御園医院も空いてるだろ。まぁあそこはほとんど24時間体制だが。
「帰るか……」と俺が言いだしたとき
近くで「わっ!」と歓声が沸き起こった。
「何だぁ?」
声のする方を向くと、白いフワフワのウェディングドレスを着た女と、タキシード姿の男が腕を組んで幸せそうに歩いていた。
「戒!見て!結婚式だよ!」
結婚式??
あー…そう言えばMIRACLEランドでは一定の時間内で結婚式を挙げられることも書いてあったような。
しかしこの時間帯に結婚式ねぇ。
ま、客の入りが一番少ない時を狙ってるんだろう。MIRACLEランドもアコギな商売してやがるぜ。
と、現実的な俺の隣で朔羅は
「わ~~、わ~……!きれい!」
と、きらきらした目でそのカップルを追いかけている。
その横顔が、夕暮に染め上げられた淡いピンクとブルーの複雑なコントラストの中、
すっげぇきれいに浮かび上がっていた。
訂正
MIRACLEランドはこの時間帯、空がこの色になることをある程度計算していたに違いない。ランドは夢を売る場所だ。
最高に幸せな花嫁に最高のシチュエーションを、ってところだな。
だけど
主役の白いドレスに包まれた幸せそうな花嫁よりも、誰よりも
朔羅は輝いて見えた。
俺は繋いだ手に再び力を入れた。
朔羅が訝しんで顔を上げる。
「いつか……
いつか、俺らも―――」
俺が言いかけると朔羅は微笑んだ。
「うん。あたしもあんなきれいなドレス着たい」
「お前が着ると何でも似合うよ」
「何言ってんだよー!もう、恥ずかしいぜ」
と照れ笑いを浮かべながらバンっと背中を叩かれる。
痛てぇ。
これは俺、結婚後、尻に敷かれる系??
ま、それはそれでいっか。



