。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅴ・*・。。*・。





「朔羅!!」


俺は朔羅の名前を叫び、あいつの香りだけを頼りに夢中で走った。


俺は何故


朔羅を先に行かせたんだろう。


俺が「入ろう」なんて言わなければ


無我夢中で走っている間、色んな「もし」が浮かんで、俺の中は後悔でいっぱいになった。


「くっそ!どこだよ!!」


声を挙げると、音の反響が今までと僅かに違うことに気づいた。


どこかに空間がある!


俺はその反響と朔羅の香りを頼りに、迷路を走り抜け、それから間もなく


朔羅の姿を見つけた。


朔羅は床に仰向けに倒れていて、腕や手から血を流している。


砕けた鏡の破片が靴底で、ジャリっと音を立てた。


どうゆうことだ!


朔羅が鏡を割ったのか―――!?


いや、そんなことより朔羅だ!


出血の量から致死量ではないことが分かったが、一瞬気が動転しそうになった。


「朔羅!」


朔羅の肩に手を置き、軽く揺すってみるが、反応はなく


俺は慌てて朔羅の首元に手を置き脈を確かめた。


俺の指先で、確かにトクントクンと脈が波打っていて、


ほっと安堵した。


思わず腰から力が抜けそうになったが、何とか踏ん張り


「朔羅!」


俺はもう一度朔羅を揺すった。