。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅴ・*・。。*・。




『ごめんなさい』


何が……?何が『ごめんなさい』なの?


あ、きっと『予定が詰まってるから』とか『俺の方のレポートが片付いてないから』とか……?


と、あれこれ考えたけれど





ホントは分かってた。


鈍感なフリをするのは楽だ。だけど鈍感なフリして、後回しにできる問題でもない。



響輔さんの『ごめんなさい』の意味を―――


二度目の



『ごめんなさい』



「あ………」


思わず顔を俯かせて、オレンジジュースに視線を落とす。


ほんの僅か震える手で包み込んだグラスの中のオレンジジュースは僅かに波打っていた。


「いつか―――…」


響輔さんが口を開いた。


あたしはゆっくりと顔を上げると、響輔さんの真剣な顔が真正面にあった。


あたしは今までまともに目が合うと恥ずかしくて、ついつい顏を逸らしがちだったけれど、今回は―――逸らすこともできないほど、その表情は真剣だった。


「いつか、ちゃんとしなきゃ、と思ってました。


自分の気持ちとか、立場とか、あれこれぐちゃぐちゃ考えてて、そしたらこんな長い日が経ってました」


何に対してか分からなかったけれど、あたしは頭をゆっくり横に振った。





「リコさん、こんな俺を想ってくれておおきに。


でも俺は、リコさんをお嬢のお友達以上に見られへんです」





つい最近聞いた―――関西弁。


あたしが聞き慣れない関西弁。


「それって―――……」


敢えて聞かなくても分かる。


あたしは―――



 
「すんまへん。


俺、リコさんをお嬢のお友達以上と言う立場にあなたを連れてかれへんのです」





あたしは―――


“また”フラれたんだ。