。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅴ・*・。。*・。



響輔さんが自分の分のアイスコーヒーと、あたしの分のオレンジジュースを持ってきてくれた。


「あ、ありがとうございます」


おずおずと受け取ると、響輔さんはちらりと進藤先輩を見て


「金髪くん、悪いけどちょっと席外してくれない?


俺、リコさんと話があるから」


と、無表情で語った言葉は相変わらず淡々としていた。


“話の内容”が、その口調から全く読み取れないだけに、ちょっと怖くなる。


思わずきゅっとオレンジジュースのグラスを両手で包み込むと


「あ、はい……んじゃ、俺はこれで。また何かあったら連絡します」


ぺこりと頭を下げて、500円玉をテーブルに置いた。


それを響輔さんが進藤先輩の手元に戻して


「ここは俺の奢りです。それよりも、新垣さんの家の様子ちょっと見てきてくれますか。


俺も戒さんも、お嬢も今日はそちらに行かれないので」


と言うと


「うす」と軽い調子で言って「じゃぁ、バイト料ってことで♪」といそいそと500円玉を財布に仕舞いこみ、帰っていこうとした。


けれど、あたしの方をちょっと気にしたように顔を振り向かせて、それにあたしには小さな会釈で返した。


進藤先輩は先輩なりに心配してくれてるのかもしれない。





改まって響輔さんと二人きり。


はじめて二人きりになったわけじゃない。ハプニングだけどあたしの部屋で二人きりになったこともあるし、キスだってした。


なのに、いつも以上に緊張する。