。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅴ・*・。。*・。




戒とそうなりたい、と思った。


最初はゆっくり進んでいきたいと思ったけれど、今は何て言うか―――


最近何だか言い合いや喧嘩ばかりだし、どこか噛み合わない歯車の軌道を正すように


肌を重ねて、体温を分かち合って、一緒の夢を見て―――そしたら、このすれ違いや溝を埋められる気がした。


短絡的かもしれないけど、でも一歩を踏み出すことで何かが変わりそうな気がしたんだ。


でも


そう思ってるのはあたしだけで、


戒は―――


「よし!弁当も食ったし、次行こうぜ~」とレジャーシートを片付けながら眩しい程の笑顔で笑う。


戒は、このデートを本当に凄く楽しんでくれてると思う。それ以上を望んじゃだめだよ。


ちょっと残念だけど。


「うん♪」


あたしもご機嫌に言ってミラビを抱っこした。


午後、太陽の光がサンサンと注ぐ中、あたしたちはそれぞれ行きたかったアトラクションを次々と制覇していった。


そのアトラクション自体はほとんど屋内だったけれど、並んだり移動はやはり外だから汗が噴き出る。


戒は何度もポカリとか買ってくれて水分補給はしたから、熱中症再発とかはなさそうだけど、


でも暑ちぃ。


アスファルトを照りつける日光が反射して、フラットのバレエシューズの中で脚の裏も熱い。


まるで天然サウナに居るみたいだ。


この暑さのせいか、忘れかけていた頭痛がまたもやってきた。戒にバレない程度にこめかみの辺りを押さえながら、何とか歩くがその歩みが遅くなるのを止められない。


戒に『頭が痛い』って言ったら、絶対『どこかで休もう』と言い出す筈だし、そうなったら戒が楽しみにしてるアトラクションに乗れなくなっちゃう。


「どした?疲れたか?」


と、異変に気づいた戒が心配そうにあたしを覗きこむ。


「ううん!大丈夫!」


あたしは空元気で答えた。


せっかくのデートなのに暑さでへたばるなんてできねぇよ。