考えて、あたしは慌てて頭をぶるぶる横に振った。
今はそんなこと考えたくない。戒とのデートを楽しむんだ!
あたしの考えてることをよそに、残った弁当を食いながら、戒が敷いたマップの上に指を走らせて次のルート説明してくれる。その口調と笑顔は凄く楽しそうだ。
戒が提案してくれたそのルートなら閉園時間の1時間前に目ぼしいアトラクションは制覇できそうだった。
てことは、8時にはここを出る計算になる。
ランドから駅までの高速バスが出ていて、それに乗ると駅には8時半ぐらいに到着できる。
その後……
「あ、あのさ!戒」
あたしはタトゥーのある辺りを押さえながら、ビールを飲んでいる戒に問いかけた。
「ん?」戒が目だけを上げる。
「あ……いやー……あのサ!MIRACLEランドから帰った後どうする!?どっか……」
行こう、と言う言葉は戒の次の言葉でかき消された。
「あー、門限には帰れるようにお前を龍崎組近くまで送ってくよ。俺とお前一緒に帰ったら怪しまれるだろうから、俺は響輔とファミレスで待ち合わせる予定」
え?そうなの……
あたしの力の籠った手は、力が抜けてその場からだらりと落ちた。
「それより何か言いかけた?」と戒に聞かれ
「ううん、何でもない!」
あたしはゆるゆると首を横に振った。
何だ……
その後何かあるかもー、なんて期待してたのはあたしだけで、ちょっと寂しい……
せっかく勝負下着もつけてきたのにな~
モソモソとサンドイッチに口を付けていると
………
ん!?
期待!??
してたの、あたし!!
今度こそホントにサンドイッチが喉に詰まりそうになり、あたしは慌ててレモンスカッシュを飲み込んだ。
おかげで喉に詰まることは免れたけれど、喉の中をシュワシュワな爽やかなレモン味が満たして
はっきりと分かった。
あたし、
期待してた。



