戒が買ってきてくれたレモンスカッシュで何とかサンドイッチを飲み込むと、
そだ!
あの変なヤツ最後まで変だったけれど、イニシャルストラップ見つけてくれたんだ!
そのことを思い出し、バッグの中をごそごそ。
戒はあたしが作った弁当に夢中だったから、あたしの様子を気にも留めず
大きく口を開けて、から揚げを放り込もうとしていた戒の目の前に、ずいとさっき買ったばかりのケータイストラップを掲げると
「なん?」とちょっと驚いたように目をまばたき。
あたしはそんな口を開いたままの戒にストラップを誇らしげに掲げた。
「え……?」
戒がキョトンとして目をまばたき、
「さっき買ってきた。お前とおソロにしたくて♪」
照れ隠しで「にしし」と笑うと、まだ戸惑っている戒の手元に強引にあたしのイニシャル『S』を手渡す。
「え、でもお前さっき買ってる素振り……」と言いかけて「ああ」とすぐに合点がいったようだ。
「何か変だと思ったんだよなー。急にトイレに行きたいと言いながらやっぱ止めたとか、俺にタバコ吸ってこい、とか言ったり~
でも、これを買うためだとは全然気づかなかったぜ」
戒は手渡されたストラップをまじまじと眺め
「わ、悪りぃな、騙すようなことして。でもどーしてもあたしのお金であたしとおソロのを買いたかったんだよ。
ほら!戒はあたしに可愛いミラビを買ってくれたろ?お返し、にしちゃお粗末かもしれねぇけど」
財布は出すなって言われたし、戒がどんな反応をするのか怖くて、ちょっと早口で説明すると
戒はそのストラップを空に掲げて、木々の葉の間から漏れる光の筋でストラップのイニシャル部分がキラリと光った。
「ヤベ。
すっげぇ嬉しいんですけど」
戒はちょっと顏を赤くしてストラップを大事そうに手のひらで包み込む。
やった!
これって、これって!
成功じゃん!!?



