「す、すみません(のぞき見みたいなことして)!」


あたしはアヤメさんに謝った。


「あの…ケータイを……」


「「ケータイ??」」


アヤメさんとドクターの声が重なり


「何の手違いがあったのかあんたの車ん中に朔羅のケータイが入り込んじまったんだよ。


取っていい?」


慌てまくりのあたしとは反対に戒は冷静過ぎるほど冷静で、トランクを目配せ。


「一体…何の手違いがあったのか謎ですけれど、どうぞ」


ドクターは素直にトランクに視線をやり、あたしは慌てて中を開けた。


思った通りケータイはトランクの隅に置かれていて


それを取りあげるとあたしは慌てて二人に頭を下げた。


「す、すみませんでした!」


と、あたしはもう謝るしかできねぇけど


「別に覗きとかじゃねぇからな。俺たちの行動を怪しむのならどーぞご勝手に」


と、戒の方は妙に堂々としていて


「か、戒!」


あたしが窘めるものの、戒は気にした様子がなくあたしの手を取って


スタスタとその場を立ち去った。