確かにあたしの周りには可愛い子がいるけど


「みんな彼氏持ちだから」


そっけなく言って、早くこの場から逃げ出したいあたし。


嫌いじゃないけど、苦手なタイプ。


「そうなん?あ、じゃぁ川上は?今付き合ってるヤツいんの?」


と、まるで『ついで』のように軽く言われて


「いな―――……」“い”と最後の言葉を言い切る前に




「あっれー!!リコちゃ~ん!」




と、これまたちょっと遠くで手を振ってる男の人があたしを呼んでる。


遠目だったし、髪色が違ったケド、このチャラい感じと声は―――


「進藤先輩!?」


進藤先輩はキラキラの金髪から、黒色の髪になっていて、着ている服もいつものチャライ格好から一転、爽やかブルーのシャツにジーンズ姿だった。


一瞬誰だか分かんなかったよ。


でも


助かった!


「先輩、どこへ行くんですか?」と近づいてくる先輩に、ぎこちない笑顔で聞くと


先輩は何かを答える前に、あたしの周りに居る元同中の男子たちを一瞥して


無言で先輩に目で


た・す・け・て


と訴えると、それが通じたのか


「ごめんね~待たせちゃって。入ろうか、待たせた分リコちゃんが好きなパフェ奢る♪」


と言って、自然な仕草であたしの手を引く。


進藤先輩は、呆然となっている男子たちを振り返ると、


「俺のオンナに何か用?」


と凄んだ。


「あれ、藤央で番ハってる進藤さんじゃね!?ヤベぇよ!!」と小声で言いながら、


「す、すみませんでした!」と慌てて謝り、バタバタと去っていく。


何だったんだ、あれ……


ちょっと目をパチパチさせて、


だけど進藤先輩のおかげで助かった!