。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅴ・*・。。*・。




どうやらアヤメさんが誤ってパワーウィンドウのスイッチを押しちまったようだ。


自分の手とあたしたちを見比べ


「あらっ」と恥ずかしそうに顔を逸らした。



ドクターはメガネは無く黒い髪を乱れさせていて、肩をむき出していた。


背中の半分ほどまでワイシャツごとむき出しになっていて、華奢だと思っていた体は



しなやかできれいな筋肉がついていた。


細マッチョって言うヤツ??


なんてじっくり観察してる場合じゃないっつうの!


「……お嬢さん……何故あなたがここに?」


ドクターはアヤメさんを組み敷きながらの態勢で聞いてきて、


てかその態勢何とかしろよ!と突っ込みたかったけれど突っ込めない。


あたしは言い訳を考えるのに必死。


でも結局良い言い訳なんて思いつかず


「い、いい歳した大人が車ん中でことに及ぶなよ!」


自分の行いを棚上げでドクターを指さして怒鳴った。


ドクターは乱れた前髪を色っぽく掻き揚げると、「ふっ」と喉の奥で涼しく笑った。


「お嬢さん、人間の性欲と言うものは時として…」


その説明を遮ったのは


「あのぅ…俺も居るんすけど」


と素直に立ち上がる戒。


「あら…まぁ」


とアヤメさんが起き上がり、乱れた着物の襟もとを慌てて合わせる。


アヤメさんの髪も乱れていて、


解けた和服が



や、やらしい!!!!!