プリンを食べ終えてコーヒーを飲んだら、途端に暇になった。と言うか何をすればいいのか分からない。
男と密室で二人きりなんてこれがはじめてじゃないけれど、でもそのどれもがお酒を飲んでベッドと言うコースだったから、お互いあれこれ考える必要がなかったと言ってもいい。
だけど響輔とはそうなる予定もないし―――
いえ、響輔が居るからそれだけで充分なんだけどね。
響輔と部屋に二人きりってのは初めてではないけれど、今までのどれもが突発的な出来事があってやむなくって感じだったし……
改まって「おうちデート」って何したらいいの?
そう言えばあたし、ちゃんとしたデートしたの実ははじめてかもしれない。
沈黙が続いて、何か…何か考えなきゃ!
そうだ!ドラマの中の主人公たちはどうしてたかしら。確かおうちデートで定番なのは二人で映画を観る、だよね。
これなら観てる間に次の計画も立てられるし
うん、いけそう。
と考えてると、響輔の顔がすぐ近くにあって飛び上がりそうになった。
「び……!くりしたぁ!」
「いや、さっきからずっと見てたんやけど、すっごい百面相。おもろいなぁって」
お、おもろい!ですって!!それは女に対する褒め言葉じゃないわよ!
キー!
またもテディの耳を噛んでいると
「映画でも見る?」
と、あたしの考えを先回りして響輔が腰を上げる。
「え?」あたしが響輔をふり仰ぐと
「おうちデートの定番言えば映画鑑賞ちゃうん?」
「そ、そーだけど…」
まさかの読心術??何かこいつなら出来そう。
って、流石にないない。



