それでもヤニ切れはさすがに我慢が出来なかったのか、
「いいか?変な男から声掛けられてもついてっちゃダメだぞ」と念押しされ…
てか、あたしゃガキかよ!
子供扱いされたことにムッとなりながらも、願ってもないチャンス到来にあたしは余計なことを考えずいそいそと土産物屋に向かった。
まっすぐにさっきのストラップ売り場に直行して、再びイニシャル探し。
さっきの若いナンパ男たちがまだ居たらどうしようかと思ったけど、イニシャルストラップのワゴンには若い女の子の人だかりができているだけで、若い…どころか男の気配がまるでない。
よし!これなら集中できるぜ!
慌ててワゴンに目を向け口の中で「KとS」「KとS」と繰り返していると
「~♪」
軽い口笛が聞こえてきて、あたしは目を開いた。ストラップを探している手が止まる。
この歌――――って………
~♪
か~ごめ~かごめ~
か~ごの中のと~り~は~
瞬きも、呼吸すらすることも忘れて固まっていると
「どうぞ」
二つのストラップ……しかも探してたKとSのイニシャル―――を、
ずいと目の前に出されて、あたしは呪縛が解けたように目を瞬いた。



