。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅴ・*・。。*・。



手に取ったミラビをぎゅっと握っていると、すぐ背後から誰かの腕が伸びてきた。


振り返らなくても分かる。この優しい体温と爽やかな香り。


そして……


振り返らなくても分かるほど…


眼力だけで人を殺せそうな威圧的な気配……


シャーっ!!って喉の奥から威嚇の声が聞こえてきそうで、あたしは恐る恐る振り返ると、


戒があたしを抱きしめるように腕を伸ばしていて、あたしは戒の腕の中すっぽりと収まっていた。


戒はナンパ(?)だろうなたぶん……男たちをちらりと冷たく一瞥しただけで、いつものように喧嘩早く怒り出すことはなかった。


代わりに―――




「人多いから、手繋いどこうぜ」




するり、と戒の手が自然にあたしの手を取り、指を絡ませる。


「何だ……オトコいたんかぁ」


ナンパ男たちはお決まりの台詞を吐いて、それでもあっさりと引きさがっていた。


「戒―――……助かっ…」


『た』を言おうとして言葉を飲み込んだのは、戒が男たちに向かってそれはそれはおっそろしい形相で睨んでいたから。


『いてまうぞ!こらぁ!!』と目が語っている。


戒……怖ぇえよ……


だけどすぐにその迫力ある睨みを仕舞いこみ、いつものフワフワ戒に戻ると


ミラビのぬいぐるみコーナーをぐるりと眺め、白と赤のギンガムチェックワンピを来た(そのワンピがめっちゃ可愛い♥)ミラビを手に取り、


「ん」と言ってあたしに手渡してくる。