。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅴ・*・。。*・。






あたしたちに近づくためにドクターを利用―――…?


「何で……」


「さぁな。理由なんて知らねぇけど、でもそんな感じがした」


戒はいよいよ逃げる態勢に入ったのか腰をちょっとだけ上げ、遠くを目配せ。


「今なら車と車の影を利用してうまく逃げられる」


「……うん」


答えたが、


ここに来て気づいた。



ない……



ない!!


あたしは手をぱたぱた。ジーンズのポッケもぱたぱたさせたけど


「戒!あたしのケータイ……」


「あ?」


戒が振り返る。






「あたしケータイ、トランクの中に置き忘れちゃった(泣)」





「はぁぁあああ!!」←注:超小声