あたしが大嫌いだった、才能も顏の可愛さもスタイルの良さも無いあの無能はアイドルさま。
あいつの過去や恋愛関係が発売前とは言え週刊誌にフォーカスされたのを知ったのはつい昨日のこと。
別にあいつの過去なんか知りたくないし、行く末なんてもっと興味ない。
だけど―――
「あんたもボヤボヤしてると週刊誌にスッパ抜かれるわよ。
あんたは今一番大事な時なんだからね。“ツマラナイ”恋愛スキャンダルで女優生命をポシャってもいいわけ?」
マネージャーは不機嫌にさらに拍車をかけて、苛立った面持ちで洋服たちを片付けていく。
「女優生命とその“友達”どっちが大切かよぉく考えなさい」
マネージャーの腕の中で小さく折りたたまれた洋服たち。靴もバッグも全部そろえたのに……
でも、
『やめてよ!女優なんて辞めてもいいし!
それに“ツマラナイ”とか言わないでよ!あんたに何が分かるの!』
とは言えなかった。
馬鹿なあたし。
この瞬間、女優生命と響輔を天秤にかけたんだ。どちらもあやふやで確固たる保障がないのに。
分かってる。
あたしは女優としてはまだ駆け出しで、恋愛スキャンダルは女優生命にとって命取りだってこと。
分かってる。
響輔はあたしを本当に好きじゃなくて、玄蛇の情報欲しさにあたしに付き合ってくれてるって。
分かってるのよ―――



