□ 大丈夫!? □





――――「朔羅は俺の女や。誰に何言われたって




俺の唯一無二の




絶対的存在や。





朔羅、ほんまに俺―――お前のこと






好きやで」





戒の胸の中、戒の震えるような告白を聞いて―――


何だか涙が出そうになった。


嬉しかった。


やっぱりさっきのほんの一瞬の戒の怖い顔は、嘘だったんだぁ。


怒鳴られたのも、別に大したことじゃない。だって戒はこうしてあたしを抱きしめてくれる。


大切に扱ってくれる。





あたしも―――……



あたしも大好きだよ。戒が居なきゃダメだ。戒がいなきゃ生きて行けない。


小さかった気持ちは、いつの間にか大きな大きな……両手で抱えきれないほど大切な存在になっていて―――


未来を、一生を、この人の隣で過ごしたいと思った。


それは戒が言った通りあたしの中でも唯一無二の存在で、比翼の鳥とも連理の枝とも言える生涯の伴侶は











たった一人だ。



たった少し怖い顔されたからって、怒鳴られたからって何であんなに不安になったんだろう。


あのときのまるで底なし沼のようなドロドロの不安な気持ちが今は嘘のように凪いでいる。


「キャ~!!いいなぁ!」周りに居る同年代の女の子たちの黄色い声が聞こえてきた。


「あたしもああやって抱きしめて!」と彼氏にねだる女の子も居る。


注目されている恥ずかしさから思わず戒の胸を押し戻して離れようとしたが、戒はその手をやんわり阻み、再びあたしを胸の中へと掻き抱いた。