。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅴ・*・。。*・。




ビクッ!


思わず肩が揺れる。


口喧嘩はしょっちゅうしてるし、互いの言い分がすれ違うこともある。


けど


こんな風に一方的に―――


怒鳴られたのは、はじめてかも―――……


あたしの変な風に上げた手の先が僅かに震えている。


戒は、はっとなって慌てて取り繕うようにぎこちなく苦笑を浮かべる。


「あ……いや、その……怪我するかもせぇへんやろ?」


とって付けた言い訳のように聞こえた。


けど、それを問いただす勇気もなく……


「うん……こっちこそ……考えもなしにごめん…」と小さく謝ることしかできない。


まただ――――


また……


あたしが熱中症で倒れたときの、あの微妙な壁を感じる―――


何で……


あたし、何かした――――……?


とてもじゃないが、いつも通り振舞うことなんてできなくて、あたしが不安そうに戒を見あげ居ると


キョウスケがおもむろに戒の手を取り、その指先を自分の口の中へパクリ。


へ!!!?


キョウスケっ!!?