ビクッ!
思わず肩が揺れる。
口喧嘩はしょっちゅうしてるし、互いの言い分がすれ違うこともある。
けど
こんな風に一方的に―――
怒鳴られたのは、はじめてかも―――……
あたしの変な風に上げた手の先が僅かに震えている。
戒は、はっとなって慌てて取り繕うようにぎこちなく苦笑を浮かべる。
「あ……いや、その……怪我するかもせぇへんやろ?」
とって付けた言い訳のように聞こえた。
けど、それを問いただす勇気もなく……
「うん……こっちこそ……考えもなしにごめん…」と小さく謝ることしかできない。
まただ――――
また……
あたしが熱中症で倒れたときの、あの微妙な壁を感じる―――
何で……
あたし、何かした――――……?
とてもじゃないが、いつも通り振舞うことなんてできなくて、あたしが不安そうに戒を見あげ居ると
キョウスケがおもむろに戒の手を取り、その指先を自分の口の中へパクリ。
へ!!!?
キョウスケっ!!?



