。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅴ・*・。。*・。




このメールにどう返信すべきか悩んだ。


悩んだ末、あたしはケータイを閉じた。


だって何て返信すればいいのか分かんないし、そもそもさっき変な風に別れちゃったからキマヅイってのもある。


バカなあたし……沈黙したら余計事態が悪くなるって言うのに……


けれどエリナはこっちも驚くほどの素早い動作でケータイを奪い、ケータイを勝手に操作。


「ちょっ!ちょっと何してるの!!」


思わずケータイを奪い返そうと手を伸ばしたけれど、エリナはさらに高い場所に上げてそれを阻止。


「おにーさんから、でしょ?リコ、ホントにこのままじゃ終わっちゃうよ?」


「……分かってるけど…」


「分かってないよ」


エリナは突如声を荒げて、あたしはその声に驚いた。


「リコ!いい!?恋愛なんて行動したもの勝ちなんだよ!待ってたって恋は舞い降りてこないんだよ!


王子様は来ないんだよ」


それ、さっきおねーちゃんからも言われました。


てかエリナ。さっきまであんなにストーカーに怯えて元気なかったのに……


「リコが返事を返さなければあたしが返す」


エリナは本気なんだろう。真剣な顔つきでケータイのキーに指を走らせ、あたしは今度こそそれを本気で阻止した。


「いい!!自分で打つ!」


結局―――返信内容をあーでもない、こーでもないと悩み続けて




To:響輔さん

Sub:Re:

>> そうですね。





たった一文返すのが精一杯だった。