ドキリ、と胸が強く打ってケータイを握りしめる。
「出ないの?」
エリナが不思議そうに目をまばたき、あたしはどうすればいいのか分からずその場でケータイを握ったまま硬直。
ヴーヴー……
あたしの手の中で着信は鳴り続け、「まさか」と思ってエリナの部屋のカーテンが引かれた窓からそっと外の様子を伺うと、
窓の下で響輔さんがケータイを耳に当てこちらを見上げていた。
バッ!
思わずカーテンを強く引き、隠れるように身を潜ませるとエリナが今度は不安そうにあたしを見てきた。
「どうしたの…?まさか……!コーチが…!?」
「ううん!違う!それは大丈夫っ」
慌てて否定して手を振ると
「じゃぁ……どうしたの……」とエリナは益々不安そうに眉を寄せた。まるで外に地球外生命体でも居るかのような怯えようのあたしを不思議に思うのは無理ない。
「響輔さんが……ね」
小声で説明するとエリナは不安な表情を緩めて、意外そうに目をぱちぱち。
「おにーさんが……?」
「…うん。たぶん龍崎くんに頼まれてこの辺パトロールしてるみたい…」
あたしの言葉を聞いてエリナはまたも目をまばたくと、怖々と言った感じで窓の外をカーテンの隙間から覗く。
「あ…ホントだ…おにーさんだ…」
あたしたちがそんな会話をしている間もケータイの着信は鳴りやまず、
「喧嘩でもした?」
あたしのすぐれない顔色を察したのかエリナが聞いてきて、あたしはさっき響輔さんとそこで会ったことから始まって逃げてきちゃったことをかくかくしかじか話聞かせた。



