「エリナ、リコだよ。入るよ~」
一応ノックをして部屋の扉を開けるとカーテンを閉め切った部屋の中、ベッドに腰掛けたエリナが布団にくるまりながら顔だけをこちらに向けた。
「……リコ…?」
声は弱々しく、顔は紙のように白く数日間の間で随分とやつれた。
エリナのお母さんが心配してあたしを頼ってくる理由が分かったり。
「エリナ、大丈夫!」
思わず駆け寄ると
「リコ!」
エリナは心底安心したようにあたしにぎゅっと抱き付いてきた。
「もう大丈夫だよ。あたしがついてるから」
このときばかりは正義のヒーローになった気分だった。
自分が受けた悲しみよりも、エリナの悲しみを受け止めて守ってあげよう。
問題をすり替えることで、あたしはさっきの言い合いを忘れようと、極力努力した。
―――――
――
あたしは震えるエリナの背中を撫でながら、
「大丈夫だよ。すぐに朔羅と龍崎くんが何とかしてくれるから」
と、おざなりの言葉しか言えなかった。
実際、あたしは朔羅や龍崎くんや響輔さんのように強くないし、こうやって傍に居て慰めることしかできないけど―――
でもエリナを助けたい、って気持ちはみんなと一緒。
そう思って居ると
ヴーヴー
あたしのバッグの中でケータイが震えた。
ケータイを取り出しディスプレイに浮かんだ文字を見てあたしは目を瞠った。
着信:響輔さん



