ピンポーン、ピンポーン!!
慌ただしくインターホンを押して、すぐに出てくれたエリナのお母さんにろくに挨拶もせず、
あたしは逃げるように新垣家に入った。
「リコさん…!」
響輔さんの声が聞こえた気がするけど
パタン……
その声は扉が閉じる音にかき消された。
まるで響輔さんを遮断するかのように―――閉じられたこげ茶の扉を見つめ、
あたしは深い深いため息を吐いた。
終わった。
そう
確実にあたしの恋はこれで終わった。
終わりにしたくなかった。
けど、今ので響輔さんに確実に嫌われたよ―――
―――――
――
「ごめんなさいね、突然呼び出しちゃって。
エリナは何も喋ってくれなくて。ただずっと部屋に籠りきりで―――」
エリナのお母さんはエリナに良く似たそれはきれいなお母さんだった。
きれいにお化粧が乗った顔を不安に曇らせて吐息をつくお母さんは息までも可憐に思えた。
あたしはエリナも心配だったけれど、響輔さんと喧嘩別れしちゃったことに気落ちしてきちんと挨拶ができなかった。
下を向くと今にも涙が出そうだった。
それでもエリナの状態を心配してくれてる、と勘違いされたのかエリナのお母さんは説明をくれた。
「ここ数日ろくに食事もしてなくて。
エリナに会ってやってください」
懇願されて、あたしはぎこちなく頷いた。
何故、あたしが呼ばれたのかは謎だった。
だってあたしは親友と呼べるほど親しくないし、クラスだって違うし。
エリナのお母さんはエリナのケータイをこっそり見て最後の着信とメールがあたしになっていたからだと言う。
それで
あたしがエリナと親しくしている、と思われたみたい。
まぁ大事な友達には違いないしね。



