心底呆れたように言われて、あたしは目の前が真っ暗になった。
響輔さんに失望された―――
と急に不安になったけれど、それと同時に何故だか分からないけどふつふつと怒りが湧いてきた。
「頑固なのは響輔さんの方ですよ!
それにあたしを心配するのも、朔羅の親友だからでしょ」
思わず口についた汚い感情―――
あたしは今、間違いなく響輔さんのイタイところを突いた。
響輔さんがたじろいだように目を見開き、あたしの腕を掴もうとしていた手を変に宙ぶらりんにしていた。
何か言い返して欲しかった。
「違う」とでも「何でそんなこと言うんですか」でも……
何でも良かった。
けれど響輔さんの口からそのどちらも語られることはなく、その薄い唇はしっかりと閉じたままだった。
「図星ですか?
響輔さんのそうゆうとこ―――優しさでも何でもない。
響輔さんは
残酷だよ」
あたしはくるりと響輔さんに背を向けると、来た道を引き戻した。
この先にエリナのおうちがある。
白い壁に茶色い塀が目印で、この閑静な住宅街に真新しい洋風のおうちは一軒しかなかったからそこで間違いない。
「あ、ちょっと―――」
響輔さんが慌てて追ってくる。
あたしは響輔さんから逃げるように―――走り出した。



