「なっ!お前っ!!


あたしを騙したの!?」


あたしはシャンプーを握り、口をぱくぱく。


「だって朔羅とデートしたかったんだもん」


と戒はしれっとして言う。


「だったら最初からストレートに誘えばいいだろ」


短い間に色々考えちまって、バカだったよあたしが。


とム゛~と顔をしかめていると、


戒はまたもあたしの髪をそっと掬い、チュっと髪の先にキス。





「んなの口実に決まってんじゃん。


お前の髪に触れる―――な」





と、またも勝気にニヤリと笑う。


あたしはそんなエロ戒を見て「ギャー」顔から火が出そうになった。


だ・け・ど


「な、何度も言わせんなよ!あたし汗臭いんだから」


あたしは戒の手から髪を引き抜くとキッと戒を睨み上げた。


分かれよ、この乙女心をよぉ!!


と怒ってるのも構わず戒はあたしの髪をぐしゃぐしゃと柔らかくまさぐる。


「何度も言わせんなよ。


女の汗の匂いは臭くなんてねぇし、むしろフェロモンての?


そそられる」


そそられる!!?


ギャァ!!


あたしはシャンプーのパッケージを握ったままカーと頬を熱くしていると





「何なのその反応。


可愛過ぎだ。



押し倒したくなるんだよ」



ペン


戒は軽くデコピンしてきて、でもその頬がほんのりピンク色。



「でも、これで明日デート決定☆な。


明日9時龍崎家出発、遅刻厳禁」


戒は勝手に決めてまたもあたしの手をそっと握るとさっさとレジに向かう。


明日――――



ミラクルランドで






デートだぁ♪