脱力……と言うかうだるような暑さの中身動きが取れないって言った方がいいのかな。


窓はきっちり締められていて、エアコンもついてない。


こんな中で寝てたらまた熱中症になって病院に逆戻りだったっつうの。


はぁ


信じられないほど汗でぐっしょりしたカットソーをパタパタさせて、夕食前だったけどシャワーでも浴びるか、と決意。


そう言えば……あたし昨日眠る間際、戒に会ったような気がするんだけど―――


でも今は





居ない―――





忘れかけていた寂しさが急に戻ってきたようで、心細くなりあたしは戒を探し求めるようにベッドの下に足を下ろした。


それと同時だった。


カチャッ


部屋の扉が前触れもなく開き、あたしは身構えた。


明かりを付けてない部屋の扉が開き、軋んだ音を立てながらゆっくりと内側に開く。


誰―――……!?雪斗―――……!


バカなあたし。


雪斗はもう居ない筈なのに。


未だにその影の存在に怯えている。


あたしはぎゅっと手近にあった布団を握りしめていると






「おはよー。ってそんな時間じゃないか。


起きたか?」





風呂あがりなのだろうか、首からタオルをぶら下げて濡れた髪を拭っている戒が現れ


あたしは目を開いた。