響輔も同じ考えに行きついたんだろう。


俺たちはまたも顔を見合わせ、



「朔羅!」

「お嬢っ!!」



二人して、今度はタクさんの部屋を飛び出した。


「な、何なんだよ、お前らっ!!」


タクさんの喚き声を無視して俺たちは来た道を逆戻り。


荒々しく階段を駆け下り、朔羅の部屋まで走った。


朔羅は―――……


出て行ったときと同じ恰好でベッドの上に横たわって、この騒ぎにも気づかないのか心地良さそうに寝息を立てている。


俺たちは二人同時にほぅっと深いため息を吐き、ずるずるとその場に座り込んだ。


らしくねぇな。


心臓がドキドキいってらぁ。


俺は心臓の辺りを押さえた。朔羅の心臓を押さえる癖の理由―――今ごろ理解できた気がした。


隣で同じように座り込んでいた響輔も同じように心臓に手を当てていて、俺たちは顔を合わせるとちょっと笑った。


呼吸を整えるために小さく深呼吸すると


チェリーブロッサムの香りでいっぱいになった


ここは―――







朔羅の香りがする。








俺は






この香りの名を持つ愛しい女を





何としてでも守り抜かなきゃならない。





改めて





そう実感した。






******************