。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅴ・*・。。*・。





はじめて聞くスネークの生の声は―――


砂嵐のような雑音に混じって聞き取りづらかった。


電話回線を媒体にしているから声が幾分か違って聞こえるだろう。


でもその声に聞き覚えがないか、俺たちは必死に耳を凝らした。


『T、我々の契約は一結の見張りだったね』


『ええ、そうよ。何か不都合でも?』


『契約内容を更新する気はないか?USドルで1,000万用意してくれたら君の願いを叶えてあげよう』


『USドルで1,000……即答できかねる金額だわ』


スネークの喋っている相手は、恐らくスネークの雇主だ、と言うことは分かった。


雑音のせいかそれともこの女の声を聞いたことがないのか、誰だか皆目見当もつかなかった。


けれど‟T”と言うコードネームで呼ばれているのは分かる。


それに最初に契約がイチの見張りだけだった、と―――


俺は響輔の横顔を見ると、響輔も視線を険しくさせてノートPCを操っていた。


「響輔、ソース(発信源)はどこからだ」


「今探ってます。半径一キロm内」


響輔のPCには東京都の地図が開かれたいた。その地図の上に丸い円がピカピカ光っている。


どうやらその円内にスネークが発信しているソースがある。


「500m……300……10m…」


円は徐々に狭まっていき、やがて周辺の詳しい地図へとクローズアップされていった。


「5m……3……2…?」


響輔は目を開いて、やがてゆっくりと上を眺めた。









「戒さん。




ソースはこの真上です」