はじめて聞くスネークの生の声は―――
砂嵐のような雑音に混じって聞き取りづらかった。
電話回線を媒体にしているから声が幾分か違って聞こえるだろう。
でもその声に聞き覚えがないか、俺たちは必死に耳を凝らした。
『T、我々の契約は一結の見張りだったね』
『ええ、そうよ。何か不都合でも?』
『契約内容を更新する気はないか?USドルで1,000万用意してくれたら君の願いを叶えてあげよう』
『USドルで1,000……即答できかねる金額だわ』
スネークの喋っている相手は、恐らくスネークの雇主だ、と言うことは分かった。
雑音のせいかそれともこの女の声を聞いたことがないのか、誰だか皆目見当もつかなかった。
けれど‟T”と言うコードネームで呼ばれているのは分かる。
それに最初に契約がイチの見張りだけだった、と―――
俺は響輔の横顔を見ると、響輔も視線を険しくさせてノートPCを操っていた。
「響輔、ソース(発信源)はどこからだ」
「今探ってます。半径一キロm内」
響輔のPCには東京都の地図が開かれたいた。その地図の上に丸い円がピカピカ光っている。
どうやらその円内にスネークが発信しているソースがある。
「500m……300……10m…」
円は徐々に狭まっていき、やがて周辺の詳しい地図へとクローズアップされていった。
「5m……3……2…?」
響輔は目を開いて、やがてゆっくりと上を眺めた。
「戒さん。
ソースはこの真上です」



