。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅴ・*・。。*・。





けれど戒はそんなあたしのもやもやなんて露知らず


「風邪―――って感じにゃ見えないけど」


とあたしをまじまじと観察。


そんなに―――見んじゃねぇよ。


あたしは益々俯いて……てか下向くと鼻水が垂れそうになる。


慌てて横を向くとあたしはそっけなく言い放った。


「風邪だろ?頭痛もするし寒気も……熱はないけどな。鼻水が止まらない」


「頭痛に悪寒―――それに鼻水も……?」


戒が声を低めた。


けれどそんな微妙な声のトーンの変化すら気づかず、あたしは屈むと鎮痛剤の箱を取りあげようとした。


けれどそれを阻むように戒があたしの腕を、



ぐいっ



強く引いて阻止した。


「何すんだよ!」


「さっきも言うたやろ?飲み過ぎやて」


「だって頭が痛いんだもん!」


あたしは何故か怒鳴り声をあげていた。


何でこんな小さなことにイラつくんだろう。でもどうしようもなく怒りが先走る。



止められない。








「あたしが具合悪いのは――――お前が居ないからだろ!



お前があたしの傍に居ないから!!!」