自分の体と比べて、
はるかに大きな自転車を
全速力でこいでいく。

「まって!
リサ早いよ!」

「早くないもーん。
てか、急いでいかなきゃ、
始業式から遅れていくわけには
いかないでしょうよ!!」

そういって、ビュンビュンと
風を切り進んでいくリサを
あたしは、後ろから
眺めた。

妙にたくましくなったその背中を見て
やけに切なくなった。

いつのまに成長したんだろう。
あたしたち。

「ぽけーっとしてんじゃないよ!!
はよせにゃあ遅れるがん!!」

でもリサの心配性は、
成長しても変わらない